科目名: □東洋美術史特論研究
担当者: 井手 誠之輔
対象学年 | 1年 | クラス | [001] |
講義室 | ゼミ室402 | 開講学期 | 前期 |
曜日・時限 | 火2 | 単位区分 | 選択 |
授業形態 | 単位数 | 2 |
準備事項 | |
備考 |
講義の目的・ねらい(講義概要) | 日本には、中世以来、中国の宋元時代、朝鮮の高麗時代に制作された仏画が請来され、今もかなりの作品が 現存している。これらの仏画群は、日中の美術史の狭間で、いわば境界領域に周縁化され、その国籍や美術史 上の位置づけも論者によって異なる場合がある。この授業では、これまでの言説を批判的に検証しつつ、これ らの作品群を、再び、制作当初の場・人・モノとの関係性の中に引き戻しながら、さまざまな美術史上の諸問 題を考えていく。あわせて、個々の作品の美術史上の位置付けや、日本における請来仏画の受容の問題にも触 れていく。 講義の狙いは、まず、隣国の高麗仏画や宋元仏画の個々の作品を視覚的かつ歴史的に理解することにある。 一方、異国の仏画が日本に伝来してきたことに起因するさまざまな制度を検証していく中で、今日的課題とな っている他者・異文化理解という観点の重要性を具体的に喚起していきたい。 |
講義内容・演習方法(講義企画) | 作品から撮影したオリジナルの画像を提示しながら、作品の表現を追体験するとともに、作品をうみだした 文化的・社会的背景をさぐるほか、中国・朝鮮の仏教絵画と密接な関係をもつ日本の中世仏画についても、広 く言及していきたい。なお、適宜、資料を配付する。 1、中国・朝鮮仏教絵画史の現況と問題点―作品のアイデンティティ 2、舶載仏画へのまなざし―『君台観左右帳記』の中の仏画師たち 3〜5、高麗の仏画 6〜7、南宋・杭州の仏画 8〜10、南宋・寧波の仏画 11、水陸会と現存する南宋仏画 12〜13、大徳寺伝来の五百羅漢図と地域社会 14、元時代の仏画 15、日本における舶載仏画の受容 |
評価方法・評価基準 | 平素の授業における学生の意見を重視するほか、口頭試問の形式で、最終的な理解度を確認することとする。 |
履修の条件(受講上の注意) | |
教科書 | 適宜、資料を配付する。 |
参考文献 | 井手誠之輔『日本の宋元仏画』、日本の美術418 号 至文堂 2001年3月 『世界美術大全集・東洋編6 南宋・金』 小学館 2000年5月 |
特記事項(その他) |

